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【建設業許可における社会保険と500万円の資金について解説!】

【建設業許可における社会保険と500万円の資金について解説!】

「経営業務の管理責任者もいるし、専任技術者(営業所技術者等)の要件も満たしてるから許可が取れる!」

「これで問題なく許可が取得できるはず!」

そう思っていませんか?
確かに建設業許可において「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の要件は難易度が高く、
その点においてクリアしているのであれば、許可取得はグンと取りやすくなります。

しかし建設業許可には上記2つ以外にも要件が3つあります。(欠格要件も合わせると5つ)

この記事では、そのうち2つの許可要件、
「適切な社会保険」と「財産的要件」について解説します。

なお、ここでは兵庫県の手引きを参照し、記事を作成しています。
兵庫県建設業許可の手引き

【経営業務の管理責任者と専任技術者では足りない?】

許可要件
①建設業に係る経営業務の管理を適正に行う体制を有すること
②.営業所ごとに専任の技術者(営業所技術者等)を配置していること
③適切な社会保険に加入していること
④請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがないこと
⑤財産的基礎又は金銭的信用を有していること

欠格要件
①申請書等に虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けている場合
②建設業法第8条各号のいずれかに該当する場合

兵庫県における建設業許可の手引きには上記の計7つの要件が要求されています。

少し補足的な内容ですが、

許可要件は、該当していなければ許可を与えない
欠格要件は、該当していれば許可を与えない

といった違いがありますので、頭の片隅に入れておくと理解しやすくなると思います。

『適切な社会保険に加入していること』

許可要件として、

◇健康保険
◇厚生年金保険
◇雇用保険

上記3つの社会保険において、適切な保険に加入することが必要です。

◇健康保険

まずは健康保険から確認していきましょう。

前提知識として、75歳未満の方が加入する健康保険には、

「自治体が管轄する健康保険」


「国民健康保険組合(土建国保や建設国保)」


「全国健康保険協会(協会けんぽ)」


「健康保険組合」

の4つがあり、建設業者にかかわらず日本国内に居住する方のほとんど全員が上記4つのいずれかに加入しています。
会社員など、雇用されている方は会社が加入している「協会けんぽ」だったり、個人事業主の方は「自治体が管轄する健康保険」に加入していることがほとんどです。

しかし、建設業許可を取得するためには上記4つのいずれかに入っていればよいわけではなく、「適切な健康保険」に加入する必要があります。
そして、適切な健康保険は法人か個人事業主かによって変わってきます。

【個人事業主】

・一人親方または4人以下の常用労働者※1がいる場合


⇒「自治体が管轄の国民健康保険」または「国民健康保険組合(建設国保など)」のいずれか

・5人以上の常用労働者がいる


⇒「全国健康保険協会(協会けんぽ)」または「健康保険組合」または
 「国民健康保険組合(建設国保など)※2」のいずれか

【法人】

全国健康保険協会(協会けんぽ)」または「健康保険組合」または
国民健康保険組合(建設国保など)※2」のいずれか

※1 常用労働者=雇用期間の定めなし、または1か月を超える期間の定めがある労働者
※2 国民健康保険組合に加入する場合、年金事務所において健康保険の適用除外の承認を受ける必要がある

上記の通りに健康保険へ加入する必要があります。

◇厚生年金保険

年金保険には「国民年金」と「厚生年金保険」があります。
国民年金は20歳以上60歳未満は加入が義務付けられており、自動的に加入される仕組みになっているため、特に気にする必要はありません。
建設業許可で入る必要が出てくるのは厚生年金保険となります。

厚生年金保険の加入が義務付けられているのは

法人」と「5人以上常用労働者がいる個人事業主」となります。

一人親方、または4人以下の常用労働者がいる個人事業主の方は国民年金保険に加入しなければならないですが、国民年金保険はそもそも必ず入っているものなので、追加で申請などをする必要はありません。

◇雇用保険

雇用保険への加入に関しては、「法人」なのか「個人事業主」なのかは関係なく、

週に20時間以上働く労働者」がいるかいないかで変わってきます。

なお、ここにいう「労働者」には法人の取締役は含まれていません
なので、仮に複数人が会社に所属していても、取締役しかいない法人などは加入義務が生じないということです。

『財産的基礎又は金銭的信用を有していること』

建設業許可を取得するうえで、重要な要件のひとつに「財産的要件」があります。
要するに「一定以上のお金を持っていないと許可がもらえない」ということです。
この一定以上のお金が500万円となります。 
                               ※一般建設業の場合

この500万円以上の金額を持っているかという証明方法は2つあり、
必ず現金500万円を手元に用意する必要はありません。
証明方法はそれぞれ、

①自己資本の額が500万円以上であること

②銀行の預金残高証明書

があります。それぞれ確認していきましょう。

①自己資本の額が500万円以上であること

法人であれば決算書類の中に必ず「貸借対照表」が入っています。
個人事業主の方も青色申告を行っている事業者であれば、通常は貸借対照表を作成しています。
この「貸借対照表」を見ることで自己資本額が500万円以上であることを確認することができます。
なお、法人の場合と個人事業主の場合では書類の見方が違うので、一つずつ確認していきましょう。

・法人の場合

法人の場合には貸借対照表の「純資産(の部)合計」の欄を確認しましょう。(大体右下にあります)
ここの金額が500万以上になっていればすでに許可要件をクリアしているといえるでしょう。
なお、よくある勘違いとして「資本金」と間違えることが多いです。
あくまで資本金は会社を設立した際に出資した金額であり、現在の財産状況ではないため、
建設業許可とは関係ありません。(特定許可の場合は必要になります)

・個人事業主の場合

青色申告書における貸借対照表には、「純資産合計」の科目がありません。
そのため貸借対照表の数字を自分で計算する必要があります。

計算方法としては、

元入金」と「青色申告特別控除前の所得金額」と「事業主借(勘定)」を合計し
その金額から「事業主貸(勘定)」を引いた金額となります。
なお、貸借対照表の負債の部(右半分)のどこかに、「利益留保性の引当金」と「準備金」の科目が
あれば、それらの金額も足して500万円以上があるか確認しましょう。

ちなみに、貸借対照表の見方に自信がない方は、顧問税理士に
「直前決算期の純資産額は500万円以上ありますか?」と聞いてみるのが一番確実です。

ではもし、純資産額が500万円よりも少なかった場合、二つ目の方法で証明する必要があります。

②銀行の預金残高証明書

預金残高証明書とは、自分で指定した日(基準日)時点の預金残高を証明する書類です。
取得方法としては窓口での申請やインターネットでの申請があります。
なお、一つの口座では500万円に満たなくても、複数口座の合算で500万円に達する場合はそれも証明として認められます。

預金残高証明書による証明には気を付けなければいけない点があり、それが「期限」です。
建設業許可取得のための残高証明書は申請日前の1か月以内のものに限られています。

さらに見落としがちな点が、預金残高証明書の基準日を起点に一か月以内でなければならないということです。

例えば、4月1日には口座に500万円があったが、預金残高証明書を発行した4月15日には、500万円がなかった場合、預金残高証明書はさかのぼって取得することができるため、
この場合だと「4月1日現在で500万円がある」という証明書を4月15日に発行することができます。
しかし、預金残高証明書の期限は「発行日(4/15)」ではなく「基準日(4/1)」を起点にするため、この時点ですでに期限の半分が過ぎている状態になります。

申請前に期限が切れてしまうと再度発行する手続きが必要になるため注意しましょう。

なお、兵庫県における建設業許可の財産要件には、預金残高証明書のほかに、
金融機関が発行する「融資証明書」でも可能となっていますが、
融資証明書の場合、厳しい審査が必要になるため、取得の難易度が非常に高いこともあり、
一般的には残高証明書を用いることが多いです。

ちなみに、この「財産的要件」である500万円はあくまで、「許可を取得するための要件」であり、申請をした後には口座の500万円がなくなっても問題はありません。

ただし、許可を取得するために友人や家族などから一時的にお金を借り、残高証明書を取得する一日だけ口座に入れる、いわゆる「見せ金」には注意が必要となります。

銀行からの融資の場合には大丈夫なケースが多いですが、友人などから一時的にお金を借りて申請を行うと虚偽の申請と見られてしまうリスクがあり、建設業許可を取り消される恐れがあります。

まとめ

今回は建設業許可要件のうち、「適切な社会保険」と「財産的基礎又は金銭的信用を有していること」について解説いたしました。
建設業許可は、一見すると要件を満たしているようでも、個別事情によって判断が分かれるケースが少なくありません。事前に専門家へ相談することで、要件の確認から必要書類の準備までスムーズに進めることができます。確実に許可取得を目指すためにも、不安な点がある場合は早めのご相談をおすすめします。

姫路市で建設業を営む社長様で許可についてのお悩みがございましたら、ぜひとも弊所へご相談ください。

⇒「行政書士北脇事務所のホームページ

※R9.7月ごろより開業予定です。

この記事を書いた人 Wrote this article

北脇有宇斗