
「一式工事と専門工事の違いが分からない」
「自分のやっている工事はどの許可業種に当たるのか分からない」
こんな疑問はありませんか?
建設業許可は全部で29業種あり、それぞれの許可業種においても重複する工事があったりと、かなり複雑になっています。
そして、曖昧なまま許可を取得してしまうと、その許可ではこの工事は請け負えないなんてトラブルが起きてしまう可能性があります。
この記事では、それぞれの許可業種について解説するとともに、工事を請け負う際の注意点もお伝えしていきます。
なお、ここでは兵庫県の手引きを参照し、記事を作成しています。
- 1. 【建設業許可は一式工事と専門工事がある】
- 2. 【一式工事の許可業種】
- 3. 【専門工事の許可業種と工事具体例】
- 3-1. ・大工工事業(大)
- 3-2. ・左官工事業(左)
- 3-3. ・とび・土工・コンクリート工事業(と)
- 3-4. ・石工事業(石)
- 3-5. ・屋根工事業(屋)
- 3-6. ・電気工事業(電)
- 3-7. ・管工事業(管)
- 3-8. ・タイル・れんが・ブロック工事業(タ)
- 3-9. ・鋼構造物工事業(鋼)
- 3-10. ・鉄筋工事業(筋)
- 3-11. ・舗装工事業(舗)
- 3-12. ・しゅんせつ工事業(しゅ)
- 3-13. ・板金工事業(板)
- 3-14. ・ガラス工事業(ガ)
- 3-15. ・塗装工事業(塗)
- 3-16. ・防水工事業(防)
- 3-17. ・内装仕上工事業(内)
- 3-18. ・機械器具設置工事業(機)
- 3-19. ・熱絶縁工事業(絶)
- 3-20. ・電気通信工事業(通)
- 3-21. ・造園工事業(園)
- 3-22. ・さく井工事業(井)
- 3-23. ・建具工事業(具)
- 3-24. ・水道施設工事業(水)
- 3-25. ・消防施設工事業(消)
- 3-26. ・清掃施設工事業(清)
- 3-27. ・解体工事業(解)
- 4. まとめ
【建設業許可は一式工事と専門工事がある】
建設業許可における許可業種には「一式工事」と「専門工事」があります。
さらに一式工事は2業種、専門工事は27業種に細分化されています。
それぞれ一つずつ確認する前に前提として「一式工事」と「専門工事」の全体像を解説します。
【専門工事】
専門工事とは、元請か下請かに関係なく特定の業種だけを専門に施工するため必要な許可となります。
例えば、家の修繕として壁の工事をするなら「内装仕上工事業」、瓦を張り替える工事なら
「屋根工事業」など、それぞれの専門業種においてその業種のみを請け負うために必要な許可となります。
【一式工事】
一式工事とは、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物(土木工作物)を建設する工事とされています。
定義では少し分かりにくいですが、一式工事の許可は、新築工事など複数の専門工事を伴う工事を
一括して請け負うための許可です。
なお、自治体により多少の差がありますが、兵庫県においては基本的に一式工事は「元請」として請けるものとされています。
⇒建設業許可に係るQ&A Q5参照
まとめると、
専門工事は特定の工事のみを施工するために必要な許可
一式工事は元請として一括して工事を請け負うための許可
となります。
なお、工事の関与の仕方によっては、
下請けでも一式工事の実績として認められる場合があります。
【一式工事の許可業種】
前項の前提を踏まえたうえで、一式工事には、
「建築一式工事」と「土木一式工事」があります。
「土木一式工事(土)」
土木一式工事は「元請」として一括して請け負う
道路工事、トンネル工事、橋梁工事、ダム工事などの「土木工作物」を建設する工事となります。
許可が必要になる請負金額は500万円以上の工事となり、この500万円には「消費税」のほか、
「材料費(発注者からの支給も含む)」や「交通費」などの諸経費も含まれています。
また、下請けに出した場合には下請代金の総額も含まれています。
「建築一式工事(建)」
建築一式工事は「元請」として一括して請け負う
住宅新築工事、マンション・アパート建設、オフィスビル建設などの「建築物」を建設する工事となります。
土木一式工事と仕組みは似ていますが、許可が必要になる請負金額が変わってきます。
・1件の請負代金が税込1500万円未満の工事 又は
・木造住宅で面積が150㎡未満の工事
上記2つのいずれかに該当していれば許可は必要ありません。
【専門工事の許可業種と工事具体例】
専門工事に該当する業種は27業種あります。
別の専門工事業種と重複する部分も出てきますので、許可を取得する際には注意が必要となります。
なお、専門工事のすべての業種において、許可が必要になる請負金額は、
「1件あたり税込500万円以上の工事」
となり、土木一式工事と同じになります。
・大工工事業(大)
⇒木材を加工・組立して建築物を施工する工事
・木造住宅の建築、木製階段の設置など
・左官工事業(左)
⇒壁や床などにモルタルや漆喰等を塗り仕上げる工事
・モルタル塗り、漆喰仕上げなど
・とび・土工・コンクリート工事業(と)
⇒足場や掘削、コンクリート打設などを行う工事
・足場の組立、掘削工事、重量物の据え付けなど
・石工事業(石)
⇒石材を加工・設置する工事
・石積み工事、墓石の据付など
・屋根工事業(屋)
・屋根工事業(屋)
⇒屋根材の施工や補修を行う工事
・瓦のふき替え、金属屋根の施工など
・電気工事業(電)
⇒電気設備を設置する工事
・照明設備工事、受変電設備工事など
・管工事業(管)
⇒配管設備を設置する工事
・給排水設備工事、空調設備工事など
・タイル・れんが・ブロック工事業(タ)
⇒タイルやブロック等を施工する工事
・外壁タイル張り、ブロック塀設置など
・鋼構造物工事業(鋼)
⇒鋼材を加工・組立する工事
・鉄骨建方、鉄塔設置など
・鉄筋工事業(筋)
⇒鉄筋を加工・組立する工事
・鉄筋組立、鉄筋加工など
・舗装工事業(舗)
⇒道路などを舗装する工事
・アスファルト舗装、コンクリート舗装など
・しゅんせつ工事業(しゅ)
⇒河川や港湾の土砂を取り除く工事
・河川しゅんせつ、港湾しゅんせつなど
・板金工事業(板)
⇒金属板を加工・取り付ける工事
・外壁板金、雨どい設置など
・ガラス工事業(ガ)
⇒ガラスを加工・設置する工事
・窓ガラス交換、ガラス壁施工など
・塗装工事業(塗)
⇒塗料で仕上げ・保護する工事
・外壁塗装、橋梁塗装など
・防水工事業(防)
⇒建物を防水加工する工事
・屋上防水、ベランダ防水、シーリング工事など
・内装仕上工事業(内)
⇒建物内部を仕上げる工事
・クロス張替え、フローリング施工など
・機械器具設置工事業(機)
⇒大型機械を据え付ける工事
・生産設備設置、搬送設備設置など
・熱絶縁工事業(絶)
⇒保温・保冷・断熱工事を行う工事
・配管保温、断熱材施工など
・電気通信工事業(通)
⇒通信設備を設置する工事
・LAN配線工事、光ファイバー敷設など
・造園工事業(園)
⇒庭園や緑地を整備する工事
・庭園造成、植栽工事など
・さく井工事業(井)
⇒井戸を掘削する工事
・深井戸工事、温泉井戸掘削など
・建具工事業(具)
⇒建具を取り付ける工事
・ドア設置、サッシ取付など
・水道施設工事業(水)
⇒上下水道施設を整備する工事
・配水池築造、水道本管布設など
・消防施設工事業(消)
⇒消防設備を設置する工事
・スプリンクラー設置、自動火災報知設備設置など
・清掃施設工事業(清)
⇒ごみ処理施設などを建設する工事
・焼却施設建設、ごみ処理設備設置など
・解体工事業(解)
⇒建築物等を解体する工事
・木造住宅解体、鉄骨建物解体など
以上、専門工事27業種になります。
このように、それぞれに定義が設けられていますが、これが実際の工事になると複数許可業種と重複する部分が出てきたり、内容によって別の業種に当てはまったりといったことがあります。
例えば、施工内容が「大型機械の据え付け設置工事」だった場合、
機械の組み立て、設置など一通り行ったのであれば「機械器具設置工事」に該当しますが、
もともと機械として完成しているものを搬入し据え付けるのであれば、
重量物の設置として「とび・土工・コンクリート工事」に該当します。
さらに、機械設置のうち配線や電源のみを工事したのであれば「電気工事」など、
一つの工事だったとしても、工事内容によっては許可業種が異なることがあります。
まとめ
今回は建設業許可における「一式工事2業種」と「専門工事27業種」について解説しました。
建設業許可は計29業種に分かれており、実務上、自分の工事がどの業種に該当するのか分からないというご相談は少なくありません。
また、元請業者からの依頼内容に合わせて許可を取得したものの、実際の工事に適合せず、想定通りに請け負えないケースも見られます。
建設業許可は工事内容や契約形態によって判断が分かれるため、業種選定を誤ると事業に支障が出る可能性があります。
そのため、早い段階で専門家に相談し、自社に適した許可業種を整理しておくことが重要です。
姫路市をはじめ兵庫県内で建設業許可の取得や業種判断にお悩みの事業者様は、
ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。
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